「減税」というニュースが流れると、心配なのが還付金詐欺です。
減税が実施されると、会社員やパートなどの給与所得者であれば、給与から差し引きされる税金が安くなるだけで、税金が還付されるということは、ありません。「還付金があります」は詐欺です。
税金が、みえない。税務署と縁のない人たち
還付金詐欺が横行する背景には、税金の制度が関係しているように思えます。
税法学者の三木義一先生によれば、日本では、わずか2割程度の人しか税務署と関わらないですむようにされているといいます(「日本の納税者 岩波新書)。
実際の所得税の減税は、「源泉徴収義務者」によって、行わざるを得ない仕組みです。具体的には、給与から差し引く税金を安くするという方法がとられます。
税金を負担するのは、最終的には国民(納税者)ですが、税金の7割超が、源泉徴収や消費税として、間接的に納付されており、税金は見えないものになっています。税金は、最大限可視化すべきであり、ここに日本の税制の最大の問題があるのだと思います。
先生は、この現状を民主主義、国民主権にかかわる問題ととらえておられます。