租税特別措置

税制批評

こりゃ何だ!基礎控除が「措置法」に

迷走した税制改正だが、改正法をみて驚いた。所得税の基礎控除といえば所得税法の根幹である。この基礎控除が「租税特別措置法」とは、驚きである。 提出時法案 当初法案は、所得税法の改正である。「第八十六条第一項第一号中「二千四百万円」を「二千三百...
税制批評

「風が吹けば桶屋が儲かる」は通用せず

会計検査院「企業9千社、経費分を超える税控除」と指摘 賃上げ促進税制で教育訓練費増額分を基礎とする「上乗せ分」について、訓練費増額分を上回る税額控除が、なされていたと会計検査院が指摘した。 会計検査院の指摘 上記朝日新聞の記事によれば、税額...
税務統計

申告所得税標本調査にみる「1億円の壁」

所得税本来に仕組みでは、所得が多くなるほど、税負担率が上がる。ところが、今の税金の仕組みでは、年間所得1億円を超えたあたりから、負担率が下がる。国税庁の申告所得税標本調査をみても、明らかに一億円の壁は存在する。 グラフ1:所得階級別所得税負...
税金・税制

所得再分配のネガティヴ面

租税の重要な役割として「所得再分配」あげる人が多い。租税法の泰斗である金子宏先生の「租税法」でも、日本国憲法の暗黙の了解事項として「再分配」があり、「租税を通ずる方法が最も適切」であると述べておられる。 私も、これまで、このことに、何の疑問...
税金・税制

定額減税の「怪」

目的の謎 岸田さんにとっては不本意なことだろうが、定額減税の評判が芳しくない。当初の説明では「税収の上振れ分」を還元するということだった。この趣旨ならば、所得税、住民税非課税世帯は対象外であり、低所得者は恩恵が少ない。現に、一人所得税3万円...