電子申告再入門電子申告できるかな? 電子申告再入門の続編です。
なんとか、電子申告は無事完了。続編では、電子申告をやる過程で、気になったこと、わからないこと、疑問点などに触れていきたいと思います。
申告データのファイル「XTX」はXMLファイル
電子申告で送信するファイルは「XTX」という拡張子になっている。受信通知も同じです。このファイルは、テキストエディター(メモ帳)などで開くことができるが、実際に開いてみると、漢字やカナ、かな、数字は読めるが、それ以外は、さっぱりわからない。普通に読めるものではない。電子申告では、このデータを送信しているのであり、税理士など専門家の方は、ぜひ一度は、メモ帳などで、開いて見て欲しい。XTXファイルは国税庁の仕様書をみるとわかるように、XML形式のファイルである。
XMLとはどういうものか
テキストエディターで開けるので、テキストファイルであることは、間違いない。専門的になりすぎるきらいもあるが、自分が何を送信しているのか、わからないのも気になるので、調べてみることにしました。ネットで得た知識をまとめると次のとおり。
・XMLとは、「Extensible Markup Language」の略である。
・主にコンピュータシステム間などのデータのやりとりを簡単にする目的で使用される。
・文字(テキスト)データを「タグ」と呼ばれる特殊な文字列を用いてコンピュータが理解しやすい形に整形する。
・タグとは、「<」と「>」で囲んだ部分のことである。
要は、コンピュータ間のやりとりに適したファイル形式ということで、裏返せば人間向きではないということか。
XTXファイルをみると
申告で送信したファイルをメモ帳で開くと1行目は、下記のとおりになっています。
<?xml version=”1.0″ encoding=”UTF-8″ standalone=”no” ?>
最初がXMLのバージョン、次が文字コードであり、最後は、外部に参照ファイルがあるという意味のようです。
これで、納得できたのだが、送信ファイルは、氏名、住所など漢字、かな、表記の部分は、わかるのだが、肝心の「数字」が、何の数字なのかわからない。このファイルでは申告データは完結せず、国税庁サーバーの「読替表?」を参照して、初めて、申告データとなる仕組みなのだ。
ひとつの疑念
申告データXTXファイルをみると、<ABB01060>が、合計所得金額であり、<ABB00720>が、申告納税額らしい。
市販の申告書作成ソフトを使って申告書を作成していても、目で確認できる形式(例えばPDFのような)で、送信するわけではない。送信前にXML形式にデータ変換が行われている。
このデータには「所得金額」「申告納税額」などの項目名はない。このファイル単独では、申告書データとして完結していないことになる。これを意識している人は、ほとんどいない。
ここで、一つの疑念がわく。「この送信ファイルは、送信者と受信者で、同じに見えているのですか」ということである。XML変換にミスがあっても、変換したソフトでは検証できない。検証できるくらいなら、ミスは訂正されているはずだと思うのだが、素人考えだろうか。
コメント
税務署の人はどうしているのか
ここで、当然の疑問ですが、TXTファイル受信しても、税務署の人もそのままみているはずがなく、なんらかのビューアソフトを使ってみているはずです。このビューアは、どんなものなのでしょうか。
このビューアが、公開されれば、「送信者と受信者が同じに見えているのか」という疑問は解決するのですが。
そもそも法令用語でいうところの「電子的記録」は、人が覚知できないのであり、従来の書面と同様の機能を担わせるには、ビューア問題は、最初の一歩と思えるのだが。
なぜXMLなのか
これも謎といってもよい。なぜXMLでなければならないのか。XMLがコンピュータ間のデータやりとりに適したものであり、また、データが軽いという利点はあるが、例えばPDFでも「可」とする選択があってもよいのではないかと思う。PDFから、必要なデータを抽出することは、それほど困難とは思えない。PDFファイルに申告者が電子署名を付して、送信し、それに官職の電子署名とタイムスタンプを付して「控え」とすれば、このファイルは、人が見てもわかるし、金融機関等に提供する際も何の困難もない。
ダウンロード版e-TAXソフト
控除額などの自動計算機能がなく、書面の申告書に手書きする感じで、税理士などプロにいわせると「使えない」という評価のようだが、私は、優れものソフトだと思う。
・申告書様式に入力するとTXTファイルに変換してエクスポートできる
・他のソフトで作成したTXTファイルをインポートできる
・国税庁が提供するビューアであること
・電子署名ができる
・メッセージボックスにアクセスできる
・署名検証(自己の)ができる
以上のように多機能なので、要は使い方である。