マイナ保険証にはメリットがあるというけど、どういうことですか?
政府広報では、マイナ保険証で「よりよい医療を受けることができる。」とあるが、どういうことなのだろうか。
よりよい医療とは
政府広報の「よりよい医療」とは、医療機関や調剤薬局が、患者の病歴、投薬情報にアクセスできるようになるので、適切な診断や投薬が、できるようになるという意味のようである。
マイナ保険証が、「よりよい医療」のためだとすれば、あまりにも説明が不足である。
さまざまな疑問
マイナ保険証について、提供されている情報を読んでも疑問は解消しないし、説明がない。
医療機関との情報共有について
厚生労働省の上記文書によれば、「マイナンバーカードで受診すると、ご本人が同意をすれば 、 今までに使った薬の正確な情報や、過去の特定健診結果を、 医師・薬剤師等と共有できることで、より多くの情報に基づいた より良い医療を受けることができます 。」とある。
本人の同意とは
マイナポータルから、自己の診療情報を確認することができる。本人が「同意すれば」医療機関もこの情報にアクセスできる、という。では「同意」とは、パスワードを医療機関に教えるということなのか。
それとも医療機関には、誰の情報にもアクセスできるマスターキーのようなパスワードが付与されているのだろうか。
そもそも本人が同意できない状況のときこそ、適格な診療のため医療情報が必要になるのではないか。
同意するとどうなる
同意の方法は不明であるが、特定の医療機関に対し同意すると、その同意は取り消すことはできるのだろうか。その都度「同意」するのであろか。今後かかる予定がない医療機関に、「同意」を与えたままになるのだろうか。
同意を与えた医療機関にアクセスできる情報を限定する方法はあるのだろうか。
アクセスできる情報
マイナポータルでアクセスできる診療情報は、医療機関からのレセプト(請求)情報である。これが反映されるのは、即時というわけにはいかない。長いと一ヶ月半かかるという。
アクセスできる情報は医療機関のレセプト(請求)情報であり、「電子カルテ」ということではない。「よりよい医療」というほどのものとは思えない。
なにもかも説明不足
気なるのは、「自己情報コントロール権」に対する考え方である。マイナ保険証の説明には、この視点があるように思えない。
マイナ保険証の理念、目指すところが「よりよい医療」の提供にあるのであれば、これらの疑問にスッキリした説明をすることが先決である。なにもかも説明不足なのである。