2022年まで、税理士として政治都合による「税制改正」をさんざんみてきた。実務家としては、法令に合わせた仕事をせざるを得ない。しかし、今回の「食料品1%」ほど、でたらめな政策は、およそみたことがない。
政治の劣化であり、ポピュリズムの台頭を見せつけられる思いである。もう一つ強く感じることは、こと税金については、国民は主権者たりえていないとう事実である。平成元年に導入された消費税は、令和3年度には、ついに所得税をぬいて、国税収入のトップになった。令和6年度では、23兆円を超える。
令和6年度の、消費税の申告数は、個人事業者207万人、法人232万社である。大多数の人は、レシートの「税」をみて、自分が税金を払ったと思っている。しかし、レシートの「税」は、価格の一部であり税金ではない。レシートの税は、「預り金」として税務署に納付されているわけではない。この「消費税」の仕組みをどれだけの人が理解しているだろうか。
「減税」で、人気を維持しようとする政治家、効果が定かでない減税に期待する国民。消費税は、税率が下がったからといって、自動的価格に反映するわけではない。特に、円高による輸入価格の増大局面では、なおさらである。
食料品1%によって、飲食店の消費税の納税額は大幅に増加する。零細飲食店にとっては死活問題である。その他にも様々な軋轢、混乱がおきることは目に見えている。しかも2年後には、また税率を戻すという。こんなでたらめな政策は、およそみたことがない。
