民間給与実態統計は、昭和24年から始まり、毎年実施されている。男性女性で賃金の違いはあるのだろうか。
令和4年調査より
一年を通じて勤務した人の給与
区分 | 人数 | 給与総額(百万円) | 平均給与(千円) |
---|---|---|---|
男性 | 29,266,000 | 164,867,744 | 5,633 |
女性 | 21,510,135 | 67,479,137 | 3,137 |
計 | 50,776,135 | 232,346,881 | 4,576 |
上記のように、平均賃金をみると女性は男性の55%となっている。
所得階級別人数
統計では、所得階級を100万以下からはじまり、200万円以下、300万円以下と1000万円まで、100万円きざみで、以後1,500万円以下、2,000万円以下、2,500万円以下、2,500万円超と14段階に区分している。
この所得階級別の人数が上記グラフである。
所得階級別にみると、300万円以下クラスまでは、女性の人数が多いが、400万円以下のクラスから、男性の人数が多く、500万以下(400万円台)となると、女性261万人にたいし男性は517万人である。
「高給取り」(400万円台を高給取りとはいえないが)になればなるほど、男性のほうが多いというのが現状である。
中央値の違い
男性の総数は2,926万人、女性の総数は、2,151万人である。ちょうど真ん中に位置する人は、男性14,633,000番目の人であり、女性は10,755,068番目の人である。
この中央値は、男性では400万円以上500万円未満にあり(400万円台の給与)、女性では200万円以上300万円以下(200万円台)である。
構成比(下位、中位、上位)
下位300万円以下、中位300万円以上700万円以下、上位700万以上と3区分し、その人数の構成比を男女別に比較してみた。
女性では、300万円以下が、50%を超える。これは100万円以下のパート労働者が、13.9%であることが影響している。注目すべきは、中位、上位の男女差である。特に700万円超の給与となると、男性23.7%にたいし、女性は、わずか4.7%である。
ひとこと
中位、上位となると短時間労働者を含んでいないので、男女差は労働時間の差ではない。女性の方が、賃金が低いという傾向があることは間違いない。この現実をどう受け止めるべきであろうか。特に女性の「上位」4.7%が気になる。このままの状態が続けば、間違いなく社会の活力は失われていく。