インボイス施行から2年 ”インボイス廃止!”

消費税の真実を知って欲しい

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2022年まで税理士として、千件を超える消費税の申告書を作成してきました。常に感じてきたことは、一般消費者と、小規模事業者では、消費税に対する捉え方(感じ方)が全く違うということです。消費税ほど誤解が多い税も珍しく、誤解の上に成り立っているのが消費税です。

そもそも名前が「消費税」であり、創設時から「消費に広く薄く負担を求める」という宣伝が行き渡ったため、消費税の納税義務者は「消費者」であり「消費」に課税する税だと信じている人が大多数だと思います。

しかし、「消費税法」は、納税義務者を「事業者」としており、「消費」ではなく「売上」に課税すると規定しています。

小規模事業者にとっての消費税は、売上に応じて納めなければならい非常に重い税であり、一種の売上税です。
「預かったものを納めるだけ」という人もいます。大企業では、そうかもしれませんが、多くの小規模事業者の実感は、そうではありません。赤字であっても消費税はかかります。その意味では、所得税や法人税より過酷な税といえるでしょう。

消費税の納税義務者は「事業者」です。実際に税務署に消費税を申告納付している人は令和5年度で個人事業者190万人、法人で200万社です。令和4年度では個人事業者の申告数は、100万人ですから、インボイス制度によって、免税事業者が90万人ほど、新たに申告することになったことがうかがえます。

消費税を申告納付するための手間は、非常に複雑で、やった者にしか分かりません。しかし、この負担が話題になることはありません。

今や消費税は、所得税、法人税を上回り最大の税となっています。この最大の税について多くの人が誤解したままでよいわけがありません。
中小業者の声は届きにくいのです。中小事業者からみた消費税の真実を知って欲しいと思います。