消費税ってどんな税-消費税を消費者が負担する仕組み

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消費税は、事業者(売り手)を納税義務者とし、消費税相当額を販売価格に上乗せすることにより、最終的に消費者が負担するように設計されています。非常に難しい税金です。

 

身近なようで、意外と知られていないのが、消費税。議論の前に、まず正確に知って欲しいというのが、私の願いです。

消費税法第4条は、「国内において事業者が行った資産の譲渡等・・・には、この法律により消費税を課する。」とし、第5条はで「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある。」としています。

消費税法をここまで読むと、消費税は事業者の販売行為にかかり、事業者が納付するものと読めます。これでは、一種の売上税となり、消費税法の創設趣旨である「消費に広く薄く負担を求める」ことにはなりません。消費税は、消費者に転嫁して、消費に課税することを目的としています。その仕組みを理解するためには消費税法第28条の「課税標準」に関する規定及び第30条の「仕入税額控除」を読む必要があります。

説明が煩雑になるので、ごく単純化していうと、事業者が納付する消費税の計算根拠となる「課税標準」は、対価の額であって、主観はどうあれ、「売上」は、すべて消費税をもらったものとみなされるということです。消費税分を価格転嫁(上乗せ)しない限り、売り手としては、消費税は自己の負担となってしまいますから、消費税相当額を上乗せすることを経済的に強制されていることになります。

「仕入税額控除」とは、事業者が消費税の申告納付をする際に、仕入や経費の支払いの際に払った金額のうち消費税に相当する金額は差し引きしてよいという制度です。仕入税額控除によって、消費税だけ仕入金額が、高くなった分は、取り戻すことができます。

この仕組みで、事業者は、消費税相当額を、消費者に転嫁することを経済的に強制され、仕入税額控除によって、仕入段階の消費税相当額を控除することが認められるので、「消費税を結果的に負担するのは消費者であり、経済的に中立」と説明されています。