インボイス制度でどうなるか
インボイス制度の導入で、仕入税額控除の要件が変わり「適格請求書」でなければ仕入控除の対象とならず、免税事業者は仕入控除の対象となる適格請求書を発行できない。ここまでは、どこにも書いてあることだが、具体的にイメージできない。
過去記事であるが、消費税近未来物語の下記を参考にしていただきたい。
(1)2023年8月31日「経理部から全社員へのメール」
(2)2021年8月31日「フリーランスのWEBデザイナーの自宅兼事務所にて」
だれがどのような不利益を被るか
免税事業者は、取引から排除される可能性がある。
排除されたくなければ課税業者を選択して、適格請求書発行事業者にならなければならない。
インボイス制度で不利益を被るのは、免税事業者である。
現場サイドから考えると、経理部(経理担当)が、飲食代や少額物品の領収書を「適格請求書」とそうでないものと区分することは面倒であり、一律に「免税業者はダメ」というような取扱いになってとしても何ら不思議ではない。
その後発表された公正取引委員会のQ&Aでは、登録事業者になることの慫慂(しょうよう)自体は独占禁止法上問題とはならないが、登録しないと取引を打ち切ると一方的通知することは、問題となるおそれがあるという。
具体的に影響を受けるのは、取引先が課税事業者である建設関係の一人親方、フリーランスのライターやデザイナー、デリバリーサービスの受託者、駐車場経営者など相当数になるものと思われる。
制度を知って、的確な対応を
主に消費者相手の商売では、無理に登録して課税事業者を選択する必要はないし、相手が簡易課税を選択していれば、これも無関係である。とはいっても相手に「おたくは簡易課税ですか」と聞くことも難しいかもしれない。
制度を知った上で、的確な対応をして欲しい。特に、課税業者を選択した場合、消費税の納税額がどの程度になるかは、事前に知っておく必要がある。消費税の納税額計算方式には、本則によるものと、簡易課税方式によるものがある。簡易課税は、届出が必要である。分からないことは、税理士に相談したほうがよい。
2022/6/9