期限付き「減税」のコスト

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消費税が変わればレジの更新が必要なことは、誰でも分かりそうである。これを1年後にもう一度やるというのが、立憲民主党の「原則1年に限り食料品0%」である。その他にも、期限をきっての、消費税減税論が花盛りである。
立憲民主党に限らないが、政治家諸氏は、タダで税金が入ってくると思っているようだ。

ツケは消費者に

申告納税制度をとる消費税の徴税コストの多くは「事業者」が負っている。レジ関係のコストは、ほんの一部であり、消費税の事務負担(申告のための経理事務)は、おそろしく複雑であり、システム改修費は、莫大である。企業は、このコストを値段に反映させ回収する。当然のことである。税率変更のツケは、消費者に回ってくる。

現場は大混乱

消費税の計算は「課税期間」(個人は暦年、会社は事業年度)単位で行う。
仮に10月1日実施とすると、個人事業者は1月から10月までの10ヶ月は、食料品の税率は8%、11月12月は0%となる。

食料品を販売する店はレジ改修が、必要になることは、誰にも分かる。9月仕入れは8%で、売るときは免税となる。飲食店は、9月に仕入れた食材は8%で、10月に仕入れたものは免税である。飲食店に限らない。お茶など食料品を買わないという会社はない。
消費税の計算には、これらの調整が必要となる。

24時間営業の店は、深夜0時に切り替えるのか。ネット通販はどうなるなど考えたらきりがない。過去の税率変更時には、事細かなQ&Aが国税庁から公表されていいる。実務は、そう簡単ではないのである。

あらてめて強調しておくが、事務コストの増加は、必ず消費者にツケがまわる。レシートから「税」が消えるだけである。