消費税をめぐって、新聞テレビでは「食料品の消費税ゼロ」とか「食品免税・非課税」などと報道される。「食料品」という言い方が、消費税についての誤解の元である。
消費税は食料品などモノかかる税ではない。食料品などのモノを売った事業者(企業)にかかる税である。納税義務者は消費者ではなく、売った側である。
「消費税」という名称について
そもそも「消費税」という名称が誤解の元である。
消費支出に着目して担税力(税金を支払う経済的能力)を見いだすこと、消費支出に応じて、税金を課すことは、税のあり方の一つである。
「消費税」は、消費支出に課税することを目的として作られた税ではあるが、売上に課税することにより、消費税相当額を上乗せして販売することを経済的に強制する仕組みの税であり、一種の売上税である。
消費税法は販売価格(税込み価格)を基準として課税標準を算出するので、一般にいわれる「本体価格」「消費税額」の境目が存在しない。売った値段から消費税が逆算される。
価格は需給関係や競争で決まるものであり、結局は価格決定権のない弱者が負担するとになる。消費者は、日常的な買い物で、スーパーなど売り手が呈示した価格で、買わざるを得ないので、国庫に入る消費税を負担していることになり、消費支出に課税されていると考えても間違いではない。
しかし、減税や免税の場合は事情が異なる。減税により国庫の収入が減ることは間違いないが、その利益は消費者に帰着するという保証はない。むしろ利益を受けるのは企業ということもある。これが「消費税」仕組みである。
免税(ゼロ税率)には強制力は及ばない
税率が上がれば、その分価格転嫁できないと、企業の利益は減少し場合よって赤字となるので、値上げを経済的に強制される。しかし、ゼロ税率となれば、食品売上の消費税を納める必要はなくなるが、値下げする必然性はない。強制力が及ぶとすれば、他社との競争のみである。レジやシステム更新などの費用は、価格に上乗せされるので、物価対策としての「ゼロ税率」効果は、期待しないほうがよい。
