インボイス施行から2年 ”インボイス廃止!”

消費税減税で物価対策は、無知かごまかしか

この記事は約2分で読めます。

消費税減税を政策に掲げる政党が多い。「消費税5%」「食料品免税」などである。私は消費税減税には賛成だが、物価高対策としての減税の効果は、疑問であり、食料品免税には絶対に反対である。

物価高で、たいへんな庶民にとって、「せめて消費税が安くなれば」と思うのはもっともなことだが、消費税が下がれば、昨日まで1,100円が、今日から1,050円(税率5%)になる、1,080円が1,000円(食料品免税)になるというのは、誤解である。

ややこしいのだが、消費税額の計算は、レシートのような、本体価格×税率ではなく、販売価格(税込み価格)×10(税率)/110で、計算する。

これが、消費税の計算方法であり、これを納得していただかないと、消費税はわからない。

「消費税減税で物価対策」という政策を本気で掲げているとすれば、あまりにも消費税法を知らない。消費税法を理解した上だとすれば、庶民の「誤解」につけ込んだ姑息な政策である。

レシートの「税」は消費税ではなく「預り金」でもない

根本的な誤解は、レシートの「税」が、消費税であり、消費者が負担する税(納税義務者は消費者)であるという刷り込みからおきる。消費税の納税義務者は「消費者」ではなく、事業者(スーパーなどの売り手)である。

スーパーなど事業者は、「対価の額」(いわゆる税込み金額のこと)を基準に税額を計算し、仕入金額を基準に計算した仕入税額相当額を差し引きした金額を税務署に「消費税」として納付している。レシートの「税」をそのまま税務署に納付しているわけではないので「預り金」ではない。

レシートの「税」はあくまで「価格」の一部であり「消費税相当額」を表示しているだけである。「税抜き価格」で、売ってくれるわけではなく、消費者にとって「税抜き価格」は何の意味もない。

レシートが「誤解」のもと

消費税法では、販売価格(税込み価のこと)から、消費税額を計算する。スーパーなどのレシートは、1,000円+税100円となっている。これによる刷り込みが誤解のもとである。

消費税減税で「自動的」に安くなるわけではない

一部の公共料金を除けば、価格決定に政府が関与することはない。税率が下がっても、いくらで売ろうがスーパーの自由である。消費者は、高ければ競合店にいくだけだる。

消費税が10%から5%になったからといって、昨日まで1100円であったものが自動的に1050円になるわけではなく、1050円(1000円+50円)になるか、1100円(1048円+52円)となるか、それは分からない。

いくらになるかは、価格を決めるスーパーなどの都合(競合店との関係など)できまることである。想定できることは、「消費税が下がった」というニュースから、一時的に安くなることは、考えられるが、1ヶ月後、2ヶ月後はどうであろうか。そして、間違いなくレジやシステムの改修費用は、価格に上乗せされる。