憲法記念日に
明治人の憲法観 「抑(そもそも)憲法ヲ制定スルノ精神ハ第一君権ヲ制限シ第二臣民ノ権利ヲ保護スルニアリ」これは、森有礼の「臣民ノ権利義務ヲ改メテ臣民ノ分際ト修正セン」という発言に対する伊藤博文の反論である。伊藤は「森氏ノ説ハ憲法学及国法学ニ退...
今年の漢字「税」にちなんで
年末恒例の「今年の漢字」は、「税」。防衛増税、増税メガネ、インボイス、所得税減税、そして、神田元財務副大臣の固定資産税滞納とビルの差押。税に関するニュースに事欠かない一年でした。今年最後は「税」で。 「税」という漢字の成り立ち 漢字カフェに...
憲法30条納税義務について
私は、なぜ憲法にこの条文が存在するのか、かねてより疑問であった。この答えは、「憲法30条のなぞ」に書いた。明治憲法時代から日本国憲法の誕生の成立過程までを熟知している宮沢俊義「憲法Ⅱ」新版によれば、「わざわざここで、規定する必要がない」ので...
「公共の福祉」と人権の制約
憲法13条では、国民の権利については、「公共の福祉に反しないかぎり」国政上で最大の尊重を必要とすると定め、22条(職業選択の自由)、29条(財産権)では、「公共の福祉」による制限がある旨を規定している。 しかし、「公共の福祉」という不確定概...
「公共の福祉」という言葉
日本国憲法には「公共の福祉」という言葉が使われている。12条で、国民は基本的人権を「公共の福祉のために」利用する責任を負うとし、13条では、国民の権利については、「公共の福祉に反しないかぎり」国政上で最大の尊重を必要とすると定める。22条(...