税金―この「不思議な世界」へようこそ
税金にまつわる不思議、謎を考える 
  • サイト紹介
  • 記事一覧(マップ)
  • この記事を書いた人
  • サイト紹介
  • 記事一覧(マップ)
  • この記事を書いた人

貸借対照表「資産の部」は、中身を3分類する

決算書
2020.09.252023.12.07
この記事は約3分で読めます。

決算書は、株主や利害関係者など「外部」に報告することを目的として、会社法計算規則という法令に従って作成されています。したがって、社長用としては十分なレポートとはいえません。
貸借対照表は、決算日の「財産状態」を表したものと説明されることもありますが、実は会社の財産状態を正確に表しているわけではありません。貸借対照表の資産の部は、複式簿記の仕組み(複式簿記システム)によって「資産」(借方)として、処理したもの(処理せざるを得ない)ものの決算日の残高です。とはいっても複式簿記によって作成された貸借対照表は、会社の状態を知るためには、とても優れたものですから、これを基準として、会社の状態をつかんでおくことはとても大切です。貸借対照表は、そのままみてはいけません。

  1. 貸借対照表資産の部を分類する
  2. 1,金銭とその仲間
  3. 2,資産価値のないもの
  4. 3,貸借対照表計上額と資産価値が一致しないもの
  5. 社長にとって必要な情報は

貸借対照表資産の部を分類する

資産の部に計上されているものは、資産価値という視点から分類すると、3グループに分けることができます。ここでいう資産価値とは金銭価値(金銭に換算したら)とう意味です。社長としては、貸借対照表をこの視点でみることが必要です。

1,金銭とその仲間

このグループは文字通り「資産」です。現金預金と金銭債権で、貸借対照表に表示されたままの価値があります。勘定科目でいうと、「現金」「預金」「売掛金」「受取手形」「立替金」「未収入金」などです。ただし回収の見込みがあやしいものがあれば除外して考える必要があります。

2,資産価値のないもの

このグループは複式簿記の仕組みから「資産」として計上されているもので、実際の資産価値はありません。
勘定科目でいうと「前払費用」や繰延資産として区分されているもの、固定資産として計上されている「建物付属設備」「構築物」「機械装置」「工具器具備品」などです。これらの貸借対照表計上額は各年度の決算で減価償却した金額を差し引いた残額です。
「車両運搬具」に計上されている金額も同様で、時価とは無関係です。特に換金する予定がない限り、これもこのグループに入れてよいでしょう。

3,貸借対照表計上額と資産価値が一致しないもの

貸借対照表には、実際の資産価値が違うものが多数存在します。計上額より実際の価値が大きいもの、価値が小さいもの両方があります。

生命保険には、その一部が「長期前払費用」として計上されているものがあり、解約返戻金は、通常は計上額を大きくなります。保険の中には、解約返戻金があるにも関わらず、一切貸借対照表に計上されていないものもあります。

「商品」「製品」などの棚卸資産資産と呼ばれるグループは、いつ売れるかわからないものが、含まれている可能性があり、税務上の処理とは別に社長として、回転がきわめて遅いものは、資産から除外して考えるべきでしょう。

社長にとって必要な情報は

決算書の貸借対照表は、そのまま見るのではなく、各項目を上記3グループに分け自分なりに加工することによって、会社の「資産総額」の真実の姿を把握することができます。是非やってみてください。

決算書会計
貸借対照表
税金―この「不思議な世界」へようこそ

関連記事

決算書

貸借対照表って何?

決算書は、貸借対照表と損益計算書からなっています。貸借対照表は、ある一定時点の企業の資産、負債の状況を表すものと説明されています。税理士が決算書の内容を説明するにあたって、出口が「利益」である損益計算書と比べ、貸借対照表はやっかいです。まず...
決算書

「固定資産」と「減価償却」の発明

個人で事業を始め青色申告をしようとする人にとって、まず理解不能?なのが「減価償却費」であり、これはちいさな会社な社長さんにとっても同じではないでしょうか。80万円で中古軽トラを買ったとする、当然これは必要経費だと思うのだが、申告会場に行くと...
「固定資産」と「減価償却」の発明
憲法29条(財産権)と租税

最近の投稿

  • 食料品免税、本気か
  • 「輿論と世論」消費税世論調査
  • 消費税「預り金」は間違い
  • 消費税減税は物価高対策になるのか?
  • 「こんなモノにも、税金が」は間違い
  • 「税抜き価格」に意味はない
  • 「買い物の都度取られる消費税」は間違い
  • 税務統計にみるジェンダー・ギャップ(4)「103万の壁」とパート主婦
  • 「税制と経済学_その言説に根拠はあるのか」
  • インボイス制度で消費税申告者増加

アーカイブ

  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
  • 2024年6月
  • 2024年5月
  • 2024年4月
  • 2024年2月
  • 2024年1月
  • 2023年12月
  • 2023年11月
  • 2023年10月
  • 2023年9月
  • 2023年8月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月

検索語

税込み価格、税抜き価格 格差 納税者 免税事業者 憲法 税理士 書籍紹介 お勧め 金持ち課税 扶養控除・配偶者控除 納税義務者 軽減税率、食料品 憲法30条納税義務 租税特別措置 源泉徴収 国民主権 電子署名 租税歳出 財政(歳入歳出) 少子化・人口問題 消費税の誤解 医療費控除 住宅ローン控除 立憲主義 消費税課税対象 電子政府 社会保障 マイナンバーカード ジェンダー 生命保険料控除 分離課税 e-Taxソフト 輸出・輸入 キャッシュ・フロー 累進税率 貸借対照表 電子保存 TXTファイル セルフメディケーション 税の透明性 簿記 出廷陳述権 租税特別措置法 決算書 還付 会計ソフト マイナ保険証 非課税 経済学 財産権 ルート証明 給与 試算表 滞納処分 MMT(現代貨幣理論) 食品免税 憲法30条納税義務 給料 お金(貨幣) 基礎控除

目次

  1. 貸借対照表資産の部を分類する
  2. 1,金銭とその仲間
  3. 2,資産価値のないもの
  4. 3,貸借対照表計上額と資産価値が一致しないもの
  5. 社長にとって必要な情報は
税金―この「不思議な世界」へようこそ
Copyright © 2023 abetakayuki All Rights Reserved.
  • HOME
  • 税金ーこの不思議な世界