決算書は、貸借対照表と損益計算書からなっています。貸借対照表は、ある一定時点の企業の資産、負債の状況を表すものと説明されています。税理士が決算書の内容を説明するにあたって、出口が「利益」である損益計算書と比べ、貸借対照表はやっかいです。まず貸借対照表の現物をみてみましょう。
企業は生きていますから、現金や預金の残高は日々変わっていきます。したがって、まず「いつ」という日付が重要です。通常は決算日です。左側に「資産の部」があり、右側に「負債の部」と「純資産の部」があり、一番下で「資産合計」と「負債・純資産合計」が記載されています。注目していただきたいのは、両方の数字が一致していることです。
貸借対照表は財産目録ではない
先に貸借対照表は決算日おける企業の財産状態を表していると説明されることがあります。しかし、そうでないので、ややこしいのです。実際にとても財産といえない「前払費用」などという項目まであります。
貸借対照表は損益計算書の相方
決算書の貸借対照表と損益計算書は、複式簿記の残高試算表を二つに分離したもので、複式簿記が、生みの親で、簡単に表示すると次のような構造をしています。ここに財産でないものが、「資産の部」に計上されている理由があります。これはこれで意味があることなので、後に書いてみたいと思います。とりあえず、貸借対照表と損益計算書は、複式簿記を親とする双子の兄弟相方のようなものと考えてください。
二つを分離する前の残高試算表は、左側、右側は同じ高さになります。
上が貸借対照表で下が損益計算書です。分離すると高さが違ってしまいます。この差が当期の利益です。