どの会計ソフトでも試算表メニューはありますが、私が使っているビズソフト「ツカエル会計」(以下単にビズ会計とよびます)を例に試算表について説明します。
「試算表」って何?で、書いておきましたが、以下、試算表とは貸借対照表と損益計算書からなる月次の決算書とご理解ください。
試算表の出し方と種類
集計表メニューから試算表を選ぶと、「日次・期間」「月次・期間」「年間推移」「部門比較」「前期比較」「ビジュアル」の5種の試算表メニューが準備されています。すべてプリントできますが、データのまま(パソコンで)見た方が、便利です。
日次・期間は、特定の日付を指定できますから、20日〆で、請求を起こしている会社などには便利な機能ですが、一番一般的な試算表が「月次・期間」です。前期比較は、前年の同月との比較が表示されます。年間推移は、一年間の動き、推移をみることができるので、便利です。
月次・期間試算表
一番一般的な「月次・期間試算表」をみてみましょう。
試算表メニューから「月次・期間」を選ぶと、試算表が表示されます。
<月次・期間試算表>
「期間」で、任意の月または連続した期間を選ぶことができますが、ここでは、9月を選んでいます。
「貸借対照表」「損益計算書」をクリックするとそれぞれを開くことができます。「製造現場報告書」は損益計算書の内訳です。ここでは「貸借対照表」を選んでいます。キャシュ・フロー計算書は、ここでは説明を割愛します。
(キャシュ・フロー計算書についてはこちらを参照)
「前月繰越」は、各科目の8月末の残高です。
「当月借方」は、各科目の当月(9月)の借方金額の合計です。
「当月貸方」は、同じく各科目の当月(9月)の貸方金額の合計です。
「残高」は各科目の当月(9月)の残高です。
借方、貸方は簿記の用語ですからあまり気にしないでください。
現金の借方200,000円は、当月の入金合計で、貸方の181,085円は出金の合計です。
売掛金の借方6,502,183円は、9月の売掛金の請求額で、貸方4,989,680円は売掛金の回収額、残高は9月末の売掛金の残高です。
内訳をみる
科目の頭にある三角マークをクリックしてください。各科目の内訳をみることが簡単にできることです。
<売掛金を展開>
詳細を確認したいときは、見たい業にカーソルを合わせてダブルクリックすると補助元帳(ここでは売掛帳)が開きます。
<ダブルクリックで売掛帳を開く>
損益計算書
試算表メニューから損益計算書を開いてみましょう。ここでは9月を選んでいます。
<試算表の損益計算書>
「前月繰越」は、期首から前月(8月)までの合計です。
「当月借方」「当月貸方」は、それぞれの合計金額です。
売上高の当月貸方6,020,543円が9月の売上で、残高34,218,464円が期首から9月までの売上合計です。一番下に「当期純損益」があります。前月繰越が前月までの純損益で、残高が累計の純損益です。
決算書より情報が多い試算表
決算書は、試算表を残高だけにした表です。試算表には「当月借方」「当月貸方」または一年間の「期間借方」「期間貸方」という重要な情報があります。貸借対照表の期間借方合計と期間貸方合計を見ると、決算書の数字がなぜこうなったのかという流れをみることができます。また、簡単に内訳情報、詳細情報までたどることができます。
社長さんの中には、試算表というとプリントしたものしか見ない方もおられますが、もったいないので、ぜひパソコンで試算表をみるようにしてください。