2022年に廃業した税理士のサイトです。このサイトは、税に関する制度の解説や、批評などの記事が中心です。
2022年までの記事は、税理士時代に書いたもので、税法の改変は早く現在の法令と違うものもありますが、アーカイブとして、そのままにしてあります。30年間の税理士生活のなかで、いつも下記のことが、気になっておりました。
税務署と無縁な「納税者」
サラリーマン(給与所得者)は、源泉徴収と年末調整で納税が済む仕組みです。
今や最大の税目となった消費税にいたっては、その申告数は、個人事業者で100万件、法人で180万件(2022年度)にすぎません。
税法の原案を策定する公務員、審議する国会議員、影響力のある発言をされる学者やメディア関係者、税金訴訟を扱う裁判官も、ほとんどの方が所得税の申告とは縁がありません。消費税となると申告者は、皆無に近いと思います。これら社会の主導的な地位におられる方は、サラリーマンと同様、ほとんど税務署と縁がありません。
パッチワーク税法と振り回される納税者・税理士
毎年繰り返さされる税法改正。減税を要求する各省庁・政治家と、その要求の一部を容認しながら、どこかで、取り返そうとする財務省。かくて、税制はパッチワークのごとく、つぎはぎだらけで、複雑化する一方です。その結果としてグロテスクに肥大化した税務六法。結果的に、振り回されるのは、実際に申告納税する、納税者と税理士です。
誤解が多い税金問題
新聞記事ですら、税に関する誤解が多く、その誤解を元に、「解説」が書かれていることも、しばしば目にしました。
こうなっている原因の一つは、大多数の国民が、税のことに関心があっても、知っているようで知らない、または、誤解していることにあり、大多数の国民が、「納税者」であっても、実際に税務署に申告し、納付せずに済んでいるという仕組みにあるのではないでしょうか。