やるかどうか不明の食料品免税である。本気度には疑問符がつくが、政治状況によっては、現実のものになる可能性がある。選挙中の与党案では、2年間に限り、食料品・飲料の消費税をゼロにするという。消費税は食料品や飲料というモノにかかる税ではないので、正確には、食料品・飲料の売上にかかる消費税をゼロにするということである。
この結果もたらされるのは、飲食店の消費税納税額増であり、食品メーカーへの消費税還付である。肝心の消費者への恩恵は、未定としかいいようがない。
簡易課税の零細飲食店への大打撃
売上5千万以下の飲食店の大半は「簡易課税」方式によって、消費税を申告納付している。実際の納税額は、どのくらいかというと、売上1千万につき40万円である。
簡易課税制度では、業種別によって「みなし仕入率」が決まっており、飲食店は「みなし仕入率」60%の第4種である。食料品、飲料の仕入が免税となれば「みなし仕入率」が、引き下げられることは必須であり、納税額が大幅に増える。
簡易課税でなくても納税額は増える
消費税は売上にかかる税である。実際の申告納税にあたっては「仕入税額控除」により、仕入金額の消費税相当額を差し引きする。免税になると食品、飲料が消費税ゼロなので、差し引くことができない。納税額は大幅に増加することになる。免税だから、食品や飲料が安くなるはずだという見解には疑問符がつく。材料以外の包装材、運賃などは、10%のままであり、仕入れ先は、消費税相当を請求することができず、値上げせざるをえないからである。
食品メーカーには還付
食品メーカーは免税なので、売上に消費税はかからない。材料の食品仕入も免税である。しかし、製造設備、電気水道などの光熱費、包装材料などはすべて課税で、仕入税額控除の対象である。これによって、食品メーカーは、輸出免税と同様に、多額の消費税還付を受けることになる。

